
家を半分こわしてそこに重機を収納していた。
Kが北海道から遊びに来る。 夜勤明けで仮眠してから来るとの事で、私の家につくのは23時を過ぎるらしい。 お腹に優しくて温かい物が食べたいというリクエストでおでんを作った。 我が家にはおでんをつくるにふさわしい大きな鍋がなくて、やはり作っているうちにおでんがはみ出てしまい、コンロに鍋を二つならべて右に左につつきながら煮込んだ。ぐつぐつと独り言のような音をたてる同じレコードをならべて少しずらしてかけいるようで、DJになったことはないけど、我が人生でDJに一番近づいたような気がした。 Kはおでんをよろこんで食べ、次の日は昼に起きていっしょにイメージフォーラムに映画を見に行った。 旅行に来て映画も無いような気がするがKは人が良いので私がどこに行きたいと言っても許してくれてとてもありがたい。 「馬馬と人間たち」は良い映画だった。 映画は精神の乗り物だと思う。この映画はまさに野生の馬に乗っているようだった。アイスランディックホースはとても美しい。少しどさんこに似ている。 家を半分こわしてそこに重機を収納していた。

秋の機嫌が悪い
Pちゃんと駅前で飲酒をしていたら、隣のテーブルのおじさんの一人が声楽家だったらしく、要所要所でかなりの声量で歌いだすので声が小さい私たちの話の腰は折れまくった。おじさんは店を出る時にこちらに上品なお辞儀をしてきた。 おじさんが外に出てから、拍手をすればよかったと思った。 ここのところ天気も悪く、寒すぎて、これ以上寒くなったら生きて行けないと思う。毎年のことだけどこのまま冬になったら死ぬ。 Pちゃんが地獄の釜が開くみたいな感じで、原発の蓋が開くと教えてくれた。 先日相模原のスーパーオープンスタジオに遊びに行って来た。 橋本の雲は良い雲だ。

ふやけた本の侘び寂び
湯船に浸かって本を読める気温になって来た。 川端康成「女であること」を読了して 次の風呂本に、モーム「月と6ペンス」を任命した。 ケミカルな食べ物は身体に悪そうだけどケミカルなお湯は身体によさそうだ。 炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム(重曹)、セスキ炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、硫酸マグネシウム、メタケイ酸ナトリウム。 いろんな粉を混ぜて入浴剤を作ってみたい。 The dream is a shadow of the existence. かまきりの影でかまきりの存在に気付く。全然動かない。大きくて静か。 今朝はずっと忘れていた人を馬乗りになって殴る夢を見た。驚いた。 思い出さなくなった物は無くなったわけではなく、ただ静かに存在しているだけ。夢はたぶん存在の影だ。

もっと本気の散歩を
台風が過ぎた朝の落下物で、その道沿いにどんな植物が生えているのかを確認する。 下を向いて歩いている。 駅までの道にはどんぐりと豆がたくさん落ちていた。 駅前通りに豆が生えていたとは知らなかった。 見ているようで見ていない物が沢山ある。もっと本気で散歩をしなくてはならない。 町田で乾物屋を見て回る。町田街道には乾物屋が多い。 製菓材料を多く取り扱っている店で、小麦粉の棚を見る。種類の違う小麦粉が何十袋もひしめき合っている。私にその違いはわからない。 秋葉原の抵抗屋や合羽橋の包丁屋などを冷やかしたときと同じような体温の高まりを感じた。 知らない知識の気配が充満している集合体は美しい。無知な私は散歩のなかでそのような快感が多い。ひとつひとつの商品に細かな字で書かれた説明書きを読む事も楽しい。ものを知る事とものを知らない事は幸せだ。 Uちゃんと上島珈琲でスパイスの入ったコーヒーを飲みながら頼み事の交換。 うまくいけば数ヶ月後にふたつの面白い物が生まれるかもしれない。 丸井でドライフルーツのミックスを買って帰ることにした。 レジの横でUちゃんに 「アレ?太

遠足
国立奥多摩美術館/モデルルーム 初めて降り立った青梅は雨が降っていて綺麗だった。