ファッションのもつ軽さ明るさ
晴れた。
晴れると気持ちも晴れやかになる。
春物の衣類を何か新調しようと、服屋に行った。
春の服は良い。
着られる期間は短く、明るくて、軽くて、薄くて、まるで気分のために存在しているようだ。
ノンキな見た目の店員が話しかけてきて、今年の春は少しくすんだパステルカラーが流行色ですと空色のカーディガンを持ってきた。
そのカーディガンは祖母が生前、毎日来ていたものと同じ色だった。
祖母はよく衣類をプレゼントされ衣装持ちだったが、新しい服が手に入るといつも
「これは婆さんになってから着る」
と言ってタンスにしまいこみ、毎日くすんだ空色のカーディガンを着ていた。
101歳で祖母が亡くなってから、私は母と一緒に祖母のタンスをひきだしをのぞいて、色とりどりの洋服たちを見て、おばあちゃんはいったい何歳になったら婆さんになるつもりだったんだろうと笑った。
毎日服のコーディネートを楽しみ、新しいきれいな服を着る幸せもあるが、
祖母のようにタンスの中に新しいきれいな服を着る未来をいつでも持っているというのは、まさに気分のために服が存在するということで、一つの美しいファッションのありかたかもしれない。
I love a spring knitwear.
Because of its lightness.